組織における意志決定のあり方が急速に変化するなか、個人の認知特性に関する研究も新たな局面を迎えている。日本産業ストレス学会の最新発表データや関連調査によると、職場において「臨機応変な対応が極めて苦手」とされる層には、共通した心理的メカニズムが存在することが判明した。彼らは決して意地悪や怠慢で柔軟性を欠いているわけではない。むしろ逆だ。過剰な責任感と、「指示やマニュアルから逸脱することへの強い不安」が行動を固直化させているケースが全体の約7割を占めるという。
特徴として顕著なのは、あいまいな状況に対する耐性(曖昧さ耐性)の低さだ。「適当にやっておいて」「いい感じに調整して」といった抽象的な指示を受けると、彼らの脳内では猛烈なアラートが鳴り響く。正解が一つに定まらない状況に直面すると強いストレスを感じ、自分を守る防波堤として「既成のルール」や「従来の手順」に極限まで依存するようになるのだ。この事実は、従来の「本人の意識改革」だけに頼る指導がいかに無力であったかを物語っている。