厚生労働省の「国民生活基礎調査」および国立がん研究センターの最新統計によると、日本における主要5大がん(胃・大腸・肺・乳・子宮頸部)の検診受診率は、依然として40%台後半から50%台前半で推移しています。OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均や、受診率が70〜80%に達する欧米諸国と比較しても、日本の受診率は著しく低い水準にとどまっています。
受診率が伸び悩む背景には、日本の雇用形態や保険制度に起因する構造的な格差が存在します。大企業に勤める会社員は職場の定期健康診断と同時に受診機会が確保される一方、自営業者、フリーランス、非正規雇用者、専業主婦層は自治体が実施する住民検診に自ら申し込む必要があります。この「能動的な手続きの手間」が受診への大きな障壁となっており、働き方や社会的身分による受診率の乖離が浮き彫りになっています。
加えて、2026年代前半に生じた医療機関受診の手控え傾向から回復しつつあるものの、「不要不急の外出や検査は避けたい」という意識の定着も、検診から足が遠のく要因の一つとして指摘されています。