講談社発行の誌面で物語が始まって以来、作中に君臨する悪の権化「帝愛グループ」は、単なるフィクションの悪党にとどまらない強烈なリアリティを持ち続けている。主人公・伊藤開司を追い詰める過酷な金利、社会の底辺へと転落した者たちを容赦なく使い捨てる冷酷なシステム。そこには身も蓋もない現実主義が横たわっている。
この闇の組織で絶対的な幹部として君臨していたのが利根川だ。彼は帝愛の論理を体現し、負債者たちを容赦なく叩きのめす。圧倒的な権力者でありながら、同時に兵藤会長という絶対的独裁者の顔色を伺いながら綱渡りをする彼の立ち位置は、皮肉にも現代社会で苦悩する管理職の姿そのものでもあった。