日本のテレビドラマ業界が生み出した傑作が、スクリーンという大画面でさらなる高みへと上り詰めた。料理監修には本場の三つ星シェフが名を連ね、調理の音、立ち上る湯気、視覚的な美しさに至るまで一切の誤魔化しがない。本物のパリで撮影された絵作りは、重厚な街並みと相まって映画全体に格調高い品格を与えている。
登場人物たちが抱える葛藤や絆を描くヒューマンドラマとしても、本作は深い味わいを持つ。異国の地で三つ星を獲得するという無謀な挑戦。失敗が許されない極限状態でぶつかり合う情熱は、料理の枠を超えて観る者の胸を熱く焦がす。