アキの成長を語る上で欠かせないのが、デンジとマキマという対極的な存在だ。当初、デンジに対しては不快感と警戒感を抱いていたアキだが、共に生活を送り、生死を懸けた戦闘を重ねる中で、その関係性は真の兄弟愛へと昇華した。乱暴で常識外れなデンジを愚痴りながらも世話する姿は、アキが失っていた家庭の温もりを取り戻していく過程そのものだった。
一方で、支配の悪魔であるマキマへの感情は、アキの盲点であり最大の罠だった。彼女に対する好意や忠誠心が、実は最初からマキマの能力によって植え付けられた、あるいは誘導された可能性が高いという描写はぞっとするほど冷酷だ。崇拝するマキマに全てを捧げた結果、最も大切にしていたデンジを追い詰める駒として利用される破滅の構図。この歪な人間関係の描き方こそ、本作が単なる娯楽作にとどまらない理由である。