ヨーヨーを失った後、キルアが代わりの武器をミルキに再発注しなかった理由には、彼の戦闘スタイルの根本的な進化が深く関わっています。
最大の転機となったのは、頭部に埋め込まれていた兄イルミの針を自力で抜き、精神的な呪縛から解き放たれたことです。覚醒したキルアは、自身の神経系に電気信号を直接流すことで思考と肉体の限界速度を超える念能力「神速(カンムル)」(電光石火・疾風迅雷)を確立しました。
神速を発動した状態のキルアは、王直属護衛軍のモントゥトゥユピーやシャウアプフすら反応できない超音速の領域で行動します。この異次元のスピードにおいては、いくら強力であっても50kgの物理的な質量を振り回すこと自体が足かせになってしまいます。自らの肉体そのものを雷の如き凶器へと昇華させたことで、キルアは暗殺用の小道具や物理武器に依存する段階を完全に脱却しました。