「カタツムリは生で食べられるのか?」という疑問に対して、専門家や医療機関は「絶対に生食してはならない」と強く警告を発しています。
野生のカタツムリやナメクジ、あるいは不適切な処理を施した個体には、広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)と呼ばれる危険な寄生虫が寄生している可能性が極めて高いためです。
広東住血線虫の幼虫が人間の体内に入ると、幼虫は血流に乗って中枢神経系へと移行し、脳や脊髄の周囲に侵入します。これにより好酸球性髄膜脳炎を発症し、激しい頭痛、発熱、首の硬直、感覚異常、視力障害、さらには昏睡や不可逆的な麻痺、最悪の場合は死に至るケースが世界各地で報告されています。
過去には、海外で悪ふざけや度胸試しとして野生のカタツムリやナメクジを生で飲み込んだ若者が重度の脳障害を負い、長期間の闘病の末に命を落とした痛ましい事故も報じられています。また、カタツムリを触った手を洗わずに食事をしたり、カタツムリが這った後の生野菜を洗わずに摂取したりすることでも感染リスクが生じます。
レストランや缶詰で安全に食べられるのは、以下の徹底した専門的下処理方法を経ているからです。
- 絶食(デトックス):数日間から1週間程度絶食させ、体内の排泄物や毒素を完全に排出させる。
- 塩揉みと洗浄:大量の粗塩と酢を用いて体表のぬめりや汚れを徹底的に洗い落とす。
- 長時間の高温ボイル:沸騰した湯で香味野菜(ブーケガルニ)、白ワイン、香味スパイスとともに1〜2時間以上しっかり加熱殺菌し、寄生虫や細菌を完全に死滅させる。