作物の収穫適期を捉えるうえで、最も信頼に足る指標は「日数計算」と「地上部の外観変化」の掛け合わせです。JAグループ各団体の営農指導資料によると、一般的なじゃがいもは植え付けから約90〜100日後が生理的な成熟の目安とされています。しかし、現場の天候や土壌水分量によって生育進度は前後するため、日数のみに依存した判断は危険を伴います。
現場の熟練農家が最も注視しているのは、緑色を誇っていた茎葉が次第に退色し、下葉から黄変していく生理現象です。光合成を終えた葉の養分が地下の塊茎へと転流し尽くすと、葉の水分が抜けて自重を支えきれずに茎がバタリと倒伏します。この「全体の7〜8割が黄色から褐色に変わり枯れ始めた段階」こそが、まさに塊茎肥大がピークに達した決定的な収穫サインとなります。
一方で、葉が完全に枯死して地上部が跡形もなく消え去るまで土中に放置するのは悪手です。土壌中の微生物や害虫に表皮が侵されるリスクが急増するほか、降雨によって過湿状態になった畝の中で塊茎が呼吸困難に陥り、収穫目前で腐敗が広がる引き金となります。