幕末動乱の渦中、治安維持を担った新選組。壬生や西本願寺を拠点に活動した彼らの実像は、後世の創作によって過度に美化、あるいは酷評されてきた。しかし、現地に残る血痕や刀傷の調査、隊士たちが実家に送った手紙の解読が進むにつれ、彼らが抱えていた現実的な葛藤が浮き彫りになってきた。
近藤勇や土方歳三をはじめ、各地から集まった若者たちが直面したのは、変わりゆく時代への恐怖と自らの正義の衝突だった。過激派志士との暗闘が繰り広げられた油小路や池田屋の跡地は、いまや静かな住宅街やビルに姿を変えているが、現地を歩けば彼らが駆け抜けた冷たい夜の空気感がリアルに蘇る。