裏社会の攻防や内部抗争の生々しい実態を半世紀以上にわたり追い続けてきたのが、ジャーナリストの溝口敦氏だ。長年の命がけの取材に基づく実録ジャーナリズムは、報道資料や警察発表だけでは見えてこない、人間模様と権力の生々しいドキュメントを提示し続けてきた。
溝口氏の分析によれば、現代のヤクザ組織における幹部ポストは単なる名誉職ではなく、絶え間ないリスク管理と資金調達能力が問われる極めてシビアなポジションに変容している。義理人情というフィクションの裏側にある冷徹な経済力学と権力闘争の構図を読み解くうえで、彼の鋭い言説は今なお多大な洞察を与えてくれる。