1992年、写真家・高橋生建氏の撮影によってスコラ社から刊行された写真集『Kir Royale(キール・ロワイヤル)』は、発売と同時に全国の書店から姿を消す異例の事態を巻き起こしました。当時39歳だった島田陽子さんが見せた大胆な姿は、それまでの芸能界の常識を根底から覆すものだったのです。
当時、樋口可南子さんや宮沢りえさんの写真集によって巻き起こっていたヘアヌードブームのなかにあっても、ハリウッドで名声を得たトップ女優の参入は別格の衝撃を与えました。単なる露出にとどまらず、成熟した女性の美しさと気品を前面に押し出した内容は大きな反響を呼び、累計発行部数は55万部を突破。芸能人の写真集としては異例のメガヒットを記録しました。
メディアは連日この話題を取り上げ、ワイドショーや週刊誌は賛否両論の嵐となりました。清純派としてのイメージを惜しむ声が上がった一方で、「自らの肉体美を芸術へと昇華させた」と称賛する文化人も多く、写真集のタイトルとなったカクテル「キール・ロワイヤル」の知名度が日本中で急上昇するなど、単なる芸能スキャンダルを超えたカルチャー現象へと発展しました。