蝶野正洋によるビンタが初めて登場したのは、2007年大晦日に放送された『絶対に笑ってはいけない病院24時』でした。当時のプロレス界で「黒のカリスマ」として絶大なヒール人気を誇っていた蝶野が、医師役のゲストとして突如登場したことがすべての始まりです。
現場スタッフからのオーダーは極めてシンプルで、「現場で因縁をつけてメンバーの誰かを叩いてほしい」という大まかな設定のみでした。そこで蝶野がターゲットに選んだのが、最も表情豊かでリアクションに長けていた山崎邦正(当時)でした。理不尽な言いがかりから放たれた強烈な一撃と、それに悶絶する方正のコントラストは、スタジオや視聴者に凄まじいインパクトを残しました。
翌2008年の『新聞社24時』以降、スタッフはこの構図を番組の目玉に据えるべく、巧妙な伏線を張り巡らせるようになります。「今年は絶対にビンタを回避できる」と確信した方正が、巧妙な罠によって最終的に蝶野の前に引きずり出されるプロットが確立され、大晦日の「お約束の祝祭」として定着していきました。