広大な薩摩半島と大隅半島、さらには点在する離島群。南九州における最大の課題は、搬送に要する「時間」という壁だった。この壁を破ったのが、同院が全国に先駆けて導入・運用してきた民間救急ヘリ「レッドウイング」だ。
公的なドクターヘリを保管・補完する枠組みを超え、消防からの要請を受けて医療チームがダイレクトに現場へと飛ぶ。要請から離陸までのロスタイムを極限まで削ぎ落とした運用スキームは、まさに一刻を争う重症外傷や心不全、脳卒中の患者にとって文字通り「命の命綱」となっている。2026年現在、フライトドクターとフライトナースの同乗率はほぼ100%を維持。現場に到着した瞬間から集中治療室(ICU)と同等のケアが始まる仕組みが完成している。