シリーズを語る上で避けて通れないのが、愛されキャラクターである雪だるま・オラフの声優交代劇です。
第1作の公開時、オラフの声を担当していたのはミュージシャンで俳優のピエール瀧でした。飄々とした脱力感と独特のユーモアを漂わせる演技は、キャラクターの無邪気さと絶妙にマッチし、高い人気を獲得していました。しかし2019年3月、ピエール瀧の麻薬取締法違反容疑による逮捕を受け、ディズニーは迅速な声優差し替えを決断します。
当時、後任選びは難航を極めると見られていましたが、白羽の矢が立ったのが声優の武内駿輔でした。当時弱冠22歳という若さでありながら、ディズニーの厳しいオーディションを勝ち抜いた武内の演技は、日本中に大きな衝撃を与えました。
【新旧オラフの演技・声質比較】
・ピエール瀧版:独特のかすれ声と大人の抜け感、アドリブ感のある飄々とした温かみ。
・武内駿輔版:前任者の声質・抑揚・間の取り方を忠実に継承しつつ、劇中歌「あこがれの夏」や第2作「おとなになったら」における圧倒的な声楽テクニックと滑らかな音程感をプラス。
配信版やブルーレイ版の音源が武内の声に差し替えられた際、視聴者からは「交代したことに全く気づかないレベルの神業」「前任への敬意を払いつつ、歌のクオリティが劇的に進化している」と賞賛の嵐が巻き起こりました。声優界屈指のバリトンボイスを持つ武内が、高いキーのオラフを完璧に演じ切ったことは、日本のアニメ吹き替え史に残る鮮烈な名演となりました。