台風の爪痕が去った後に立ちはだかるのが、過酷な生活再建の試練だ。多くの人が勘違いしているが、台風による屋根の飛散や床上浸水、飛来物による壁の破損は、基本的に火災保険の「風災・水災補償」でカバーできる。しかし、日本損害保険協会のデータによると、適正な保険金を申請できずに自己負担で修繕してしまう被災者が後を絶たない。損害保険業界全体としても、災害発生直後の迅速な被害調査と保険金支払いの簡素化に取り組んでいるが、加入者側の知識不足が足を引っ張る格好となっている。
被害に遭った際、最も重要なのは「被災直後の写真撮影」だ。片付ける前に、家屋の損壊部分や浸水の深さがわかる目盛り(柱のズボン跡や家具の痕跡)をスマホで多角的に記録する。これが保険金受給の決定的な証拠となる。また、火災保険の補償範囲に特約として追加できる「費用保険金」や、自治体が発行する「罹災証明書」の取得手順をあらかじめ把握しておくことが、破産を防ぐ最短ルートとなる。