昭和歌謡史における最大の伝説と言えば、シングルレコード『およげ!たいやきくん』の記録的な大ヒットだ。売り上げ枚数は約453万枚という前代未聞の数字を叩き出したが、そのB面に収録されていたのがまさに『いっぽんでもニンジン』であった。
この歴史的メガヒットの舞台裏には、音楽出版業界や制作陣の間で語り継がれる有名なお金にまつわる裏話が存在する。A面を歌った子門真人が買い取り契約の定額ギャラ(わずか数万円程度と言われる)で歌唱したのに対し、なぎら健壱側は印税契約を結んでいたとされる噂や、当時のレコード業界独特の契約システムが今なおファンの間で語りぐさとなっている。
日本レコード大賞や数々の音楽賞の対象外となりながらも、ポニーキャニオン(当時:キャニオン・レコード)の製造ラインが追いつかなくなるほどの社会現象となった。まさに、B面でありながらA面と同等の存在感を放った奇跡の1曲だったのである。