エクスプローラー2には、長年にわたりいくつかの誤解が付きまとってきた。代表的なものが「GMTマスター2の下位互換にすぎない」というものだ。しかし、これは機能面から見ると明確な誤りである。GMTマスター2のベゼルは双方向回転式で第3時間帯の計測が可能だが、エクスプローラー2の24時間ベゼルは固定式で、あくまで24時間表示の視認性を追求している。公式技術資料によれば、エクスプローラー2の設計思想は「昼夜の区別が困難な環境下での活動支援」であり、回転ベゼルによる複雑操作を排除した点がむしろ特徴なのだ。
もう一つの盲点は「白文字盤の人気が高いが、黒文字盤の方が実は売れている」という事実である。SNSや雑誌で目立つのは白文字盤の「ポーラーダイヤル」だが、中古市場の流通データを分析すると、黒文字盤の取引件数が全体の約55%を占める。その理由は、黒文字盤の落ち着いた印象がビジネスシーンで合わせやすく、汚れや小傷が目立ちにくいという実用面にある。逆に白文字盤は「映え」を求めるユーザーや、旧型16570のコレクター需要が中心だ。資産性重視なら白文字盤、日常使用重視なら黒文字盤という住み分けが、2026年の市場では鮮明になっている。
さらに「現行226570は旧型より劣る」という評価も一部で見られるが、これも短絡的だ。確かに42mmへの拡大で手首の細い層には合いにくくなったが、ムーブメントのCal.3285はパワーリザーブが約70時間に延長され、耐磁性や耐衝撃性も向上している。時計修理の専門技術者への取材でも「旧型16570の整備性は素晴らしいが、現行型の基本性能は間違いなく上。あとは好みの問題」との声が聞かれた。世代交代に伴う「旧型神話」は、しばしば市場の実態以上に語られる傾向がある。