清水市立入江小学校3年4組。個性豊かな面々がひしめくクラスにおいて、城ヶ崎姫子(じょうがさき ひめこ)の醸し出す空気感は明らかに異質だ。
美しいツインテールに、洗練された洋服。父親は外資系企業や貿易会社に勤める裕福な家庭で育ち、習い事はピアノとバレエ。昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わっても、彼女は一貫して「女子小学生の誰もが一度は憧れる完璧なお嬢様」のアイコンであり続けている。
だが、彼女をただの気取った金持ちキャラで終わらせないのが、さくらももこ作品の真骨頂と言える。気品に満ちた佇まいの裏には、自分の感情に極めて素直で、時に意地張りで、感情をストレートに表出させる人間らしさがぎっしりと詰まっているのだ。