渇水報道やSNS上の投稿では、「湖底が露出している」「水没した旧石淵ダムが見えている」といった画像が拡散され、地域の不安を煽ることがあります。現地を訪れる観光客や地元農家の証言を取材すると、視覚的な印象と実際の利水状況の間には一定の乖離が見られます。
胆沢平野で米作りを営む地元農家からは、「春先に湖面が低く見えても、上流の山に十分な雪があれば不安はない。本当に警戒すべきは、雪解けが極端に早く終わった後の7月・8月の空梅雨」という声が聞かれます。経験則に基づく現場の警戒感は、単なる目視の水位ではなく「雪の量」と「雨の降り方」に向けられています。
現在、北上川ダム統合管理事務所が提供する胆沢ダムのライブカメラでは、堤体天端や奥州湖の広範囲を定点映像で常時確認できます。沈水していた旧施設が顔を出す光景はネット上でセンセーショナルに共有されがちですが、これは渇水時のみならず、夏季の洪水調節容量を確保するための「計画的な水位低下(夏期制限水位運用)」でも日常的に起こる現象です。