バブル崩壊の足音が忍び寄っていた1991年。月曜夜9時枠に投下された本作は、それまでの恋愛ドラマの常識を根底から覆した。美男美女がおしゃれなバーでカクテルを傾け、都会的な台詞を交わす。そんな華やかな世界観に突如現れたのは、お見合いに99回フラれ続けた不器用極まりない中年男性だった。
過去の婚約者を事故で失い、心を閉ざしたヒロイン。彼女のトラウマを打ち砕くために選んだ手段が、疾走してくるダンプカーの前に自らの肉体を投げ出すことだった。ブレーキを踏み込んだトラックが数センチ手前で止まる。「あなたが好きだから、僕は死にません! あなたを幸せにしますから!」。額に汗と油を滲ませ、涙と鼻水を流しながら叫ぶ姿は、格好良さとは対極にある人間の剥き出しの執念だった。
視聴率は回を追うごとに跳ね上がり、最終回では36.7%を記録。視聴者は、男の泥臭い覚悟に圧倒され、ただ画面に釘付けになった。