情報の真偽が入り乱れるグルメシーンで、地元の肉通たちが「ここだけは教えたくない」と口を揃える聖域が存在する。その筆頭が、岐阜の誇る銘柄牛を一頭買いで競り落とす「馬喰一代」のような実力派だ。サシの融点が驚くほど低く、常温でとろけ出すA5ランクの飛騨牛。きめ細やかな霜降りと赤身の力強い旨味は、炭火の強火力で表面をカリッと香ばしく焼き上げることで真価を発揮する。
名駅三丁目や笹島エリアの路地裏にひっそりと佇む隠れ家では、完全個室で専属の焼き手が最高品質の飛騨牛をフルアテンドする贅沢なスタイルが浸透しつつある。一方で、太閤通口側のガード下や下町情緒を残す西口周辺には、問屋直営ならではの破格値で極上カルビやホルモンを提供するコスパ最強店が健在だ。煙に巻かれながら冷えた生ビールで流し込む一切れは、高級店とはまた異なる純粋な肉の歓びを教えてくれる。