死の背景に何があったのか。その輪郭を最も克明に伝えたのが、妻・広川ひかる氏が後に上梓した手記や告白である。そこには、テレビで見せる明るい「竜ちゃん」とは対極にある、繊細で不安に苛まれやすい素顔が綴られていた。
手記によると、上島さんは亡くなる数年前から持病の悪化や激しい気分の落ち込み、不眠に悩まされていた。特に深刻だったのが、毎晩のように後輩たちと酒を酌み交わしていた「竜兵会」が、コロナ禍の自粛によって完全に奪われてしまったことだった。人との触れ合いや愚痴の言い合いで心のバランスを保っていた彼にとって、孤独な夜はあまりにも長すぎたのである。
さらに、晩年は自らの健康状態に対する極度の不安や、年齢とともに思うように動かなくなる肉体への焦燥感を募らせていた。亡くなる直前には「仕事がなくなったらどうしよう」「自分はもう求められていないのではないか」といった弱音を漏らす頻度が増えていたという。突発的な衝動に見舞われた引き金には、こうした慢性的かつ複合的なメンタルの疲弊が確実に影を落としていた。