朝の梅田、ビル風が吹き抜ける歩道で、コートの襟を立てた人々が整然と列をなしていた。目当ては、焼き立てのパンが放つ芳醇な香りと、トレイに乗せた瞬間にズシリと感じる重厚感だ。
代名詞とも言える「タイ風焼きそばパン」は、従来の惣菜パンの枠組みを完全に破壊していた。エスニックな香辛料が効いた本格的な焼きそばに、溢れんばかりの具材。一口頬張れば、ハード系の生地が具材の力強い味わいを受け止め、口の中で極上の料理として完成する。単なる「パンに具を挟んだもの」ではなく、「パンという皿の上で完成された一皿のフレンチ・デリカテッセン」だったのだ。
「プレミアムクロワッサン」や「パテ・カンパーニュ」など、甘い系から酒の肴になるものまで、どの商品を手に取っても妥協がなかった。買い終えた客が満足気な表情で店を後にする姿が、新たな行列を呼び寄せる好循環を生んでいた。