俳優が急激に体型を変える時、その最も大きな理由は「役作り」にある。千葉雄大も例外ではない。かつての爽やかなイケメン枠から、癖のある怪演や人間臭い葛藤を抱える複雑な役柄へとシフトする中で、あえて体重を増やして役にリアリティを持たせる手法をとっているのだ。
生活感あふれる冴えないサラリーマン役や、人生に行き詰まった中年男性の葛藤を演じる際、あまりに洗練された細身のビジュアルは時に邪魔になる。あえて肉感をつけ、背中を丸め、どこにでもいる男性の空気感を醸し出す。彼が見せるこの「意図的な崩し」こそが、作品への深い没入感を生み出すプロ意識のあらわれと言える。