私たちが普段目にする「島」という文字は、鳥が羽を休める海上の山を象った象形文字がベースになっています。その成り立ちの中で、部首の配置バランスによって複数のバリエーションが生み出されました。
最も普及している「島」は、鳥の下部と山が一体化した形状です。これに対し、山を偏(へん)として左に置いたものが「嶋(やまへんに鳥)」、そして山を冠(かんむり)として頭上に配した文字が「嶌(やまかんむりに鳥)」です。
字義としての違いは基本的に存在せず、いずれも「海や湖の水上に孤立した陸地」を指します。しかし、古典的な漢字の美意識においては、海上にそびえ立つ雄大な山に海鳥が集まる情景をより立体的に表現した形として「嶌」が愛用されてきた経緯があります。