近年、世界の旅のトレンドは「名所を巡る観光」から「その土地の極上の食を体験する旅」へと急速にシフトしている。いわゆるガストロノミーツーリズムの牽引役として、この小さな料理店が果たす役割は極めて大きい。世界的な権威を誇るミシュランガイドでの高評価も手伝い、欧米やアジアの富裕層がこのカウンターに座るためだけにプライベートジェットで来日する光景も珍しくなくなった。
深夜ドラマの金字塔『孤独のグルメ』が描いたような日常の至福とは対極にある、人生観をも変えてしまうような究極の食体験。人手不足やコスト高に揺れる日本の外食産業において、徹底的な高付加価値化と文化の継承を両立させるビジネスモデルとしても、業界内外から熱い視線が注がれている。