見た目の不気味さや巨大さから「人間を襲う毒肉食獣」と誤解されがちだが、フィリピンオオコウモリの主食はイチジクなどの果実や植物の葉だ。完全な草食性であり、人間や他の哺乳類を襲って血を吸うようなことは一切ない。むしろ性格は非常におとなしく、夜間にひっそりと森の木々を移動しながら果実を食べる静かな生き物である。
また、病原体の媒介リスクについても正しく理解する必要がある。一般的な小型コウモリと異なり、彼らが人里に好んで侵入することはない。しかし、生息地の森林破壊に伴い人間との距離が縮まった結果、国際自然保護連合 (IUCN) のレッドリストにおいて「絶滅危惧種」に指定される事態に陥っている。フィリピン共和国の固有種である彼らは、危険な存在どころか、人間の開発によって絶滅の淵に立たされている被害者なのだ。