カワテブクロヒトデを初めて目にした人の多くは、その無機物と見紛うばかりの肉厚なシルエットに息を呑みます。一般的なヒトデが持つ扁平でシャープな星型とは対照的に、太く短い5本のアームがふっくらと膨らんでおり、中央の盤部にかけて滑らかに連続しています。
この特異な和名がついた背景には、まさに「使い込まれた作業用革手袋(皮手袋)」を想起させる質感と形状があります。学名であるChoriaster granulatusの「granulatus」が示す通り、体表は微細な顆粒状の骨板組織で隙間なく覆われており、遠目にはマットなレザー素材のように映ります。カラーバリエーションは個体差が豊かで、淡いピンクベージュからオレンジ、キャメル色、さらには先端部だけが鮮やかな赤褐色に染まるものまで存在します。
実際にダイバーや飼育員が触れた際の感触は、見た目の柔らかそうな印象を良い意味で裏切ります。指先を押し込むと、「高密度なゴムや硬質ウレタンを思わせる弾力」があり、内部には強固な骨格構造が張り巡らされています。この肉厚な構造は、外敵による捕食圧や波浪による物理的ダメージから身を守るための適応進化の結果と考えられています。