私たちの瞳の色を決めるのは、眼球の「虹彩」と呼ばれる部分に含まれるメラニン色素の量です。日本人の多くは一見すると「黒い目」に見えますが、強い光を当てたり、近くで見たりすると、実際には濃淡の異なる茶色であることが分かります。このメラニン量が中程度からやや多めである状態が、いわゆる茶色い瞳の正体です。
遺伝学的には、OCA2やHERC2といった遺伝子の働きが深く関わっています。かつては単一の遺伝子で決定されると考えられていた瞳の色ですが、現在では数十もの微細な遺伝的変異が複雑に絡み合って、一人ひとりの独特な「茶色」を作り出していることが判明しています。そのため、同じ家族であっても、吸い込まれるようなディープブラウンから、光に透けるアンバー(琥珀色)まで、バリエーションは無限に存在します。