匿名を条件に取材に応じた制作メンバーの一人は、凍える手を見つめながら熱っぽく語った。「ただの雪の塊じゃないんです。内部の空洞化を防ぐための骨組みや、球体部分の滑らかなカーブを作るための温度管理など、実は最新の土木技術と職人技が詰まっています。手を抜いたら、ただの卑猥な物体になってしまう。完成度を極限まで高めることだけが、このプロジェクトを『芸術』へと昇華させる唯一の道だったんです」。
彼らの情熱は、向ける方向を完全に間違えているように見える。しかし、その無駄な情熱の注ぎ方こそが、見る者の心を揺さぶるのだ。芸術とは、合理性の対極にある無駄の積み重ねなのかもしれない。