当時の日本代表が挑んだ1994 FIFAワールドカップ・アジア最終予選は、まさに死闘の連続だった。過密日程と灼熱のアジア各地を舞台にした戦いは、選手たちの精神と肉体を極限まで追い詰めた。最終戦となったイラク戦のピッチに立ったのは、オフト監督が絶対の信頼を寄せた11人の戦士たちだ。
守護神の松永成立を最後尾に配し、ディフェンスラインには強固なリーダーシップを発揮する柱谷哲二と「アジアの壁」と称された井原正巳のセンターバックコンビ。両サイドバックには鋭いアップダウンを見せる堀池巧と泥臭い守備で貢献する勝矢寿延が名を連ねた。中盤のボランチには泥臭くピンチの芽を摘む森保一、ゲームを組み立てる吉田光範、そして圧倒的なカリスマ性でチームを牽引するラモス瑠偉が君臨。攻撃陣はスピードある長谷川健太、エースの三浦知良、そして前線で身体を張り続ける中山雅史という、当時の日本最高峰の布陣だった。