菊池風磨さんの卓越したリズム感や言葉選びのセンスは、父親の血筋と無縁ではありません。実父はフォークデュオ「グループアンドアイ(後にTWOHS)」などで活動し、現在はシンガーソングライターとして精力的にライブや講演活動を展開する菊池常利(きくち つねとし)氏です。
常利氏は1999年、ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)を代表する国民的グループ・嵐のデビューシングル『A・RA・SHI』の作詞を「J&T」名義で手がけたことで知られています。幼少期の風磨さんにとって、ギターを爪弾きながら自宅で言葉を紡ぎ出す父親の背中は、もっとも身近にあるプロフェッショナルの姿でした。
しかし、家庭内において父親が芸能界のコネクションを誇示することは一切ありませんでした。常利氏は息子に対して一人の自立した男としての礼節を求めつつ、音楽やカルチャーへの自由な興味を温かく見守る距離感を維持していました。父親のオープンかつ情熱的な生き様は、思春期を迎えた風磨さんにとって大きな刺激となり、表現者という道へ目を向ける自然なトリガーとなっていきました。