丸ヨーク構造の歴史は深く、北欧アイスランドの伝統的な「ロピセーター」や、スコットランドの美しい配色技法である「フェアアイルセーター」にそのルーツを持つ。首回りから肩にかけて描かれる美しい円形模様は、着る人の身体に優しくフィットし、防寒性と動きやすさを両立させる先人の知恵そのものだ。
20世紀半ば、伝説的なニッターであるエリザベス・ジマーマン(Elizabeth Zimmermann)がシームレス(縫い目なし)のトップダウン構造を提唱したことで、丸ヨークは一気に世界中のニッターへと広まった。パーツごとに編んで組み立てる従来の技法と異なり、途中で試着しながら丈やシルエットを自在に調整できる。この圧倒的なストレスの少なさと機能美こそが、時代を超えて愛される最大の理由だ。