アイドルのムダ毛に対する世間の視線は、時代とともに劇的な変遷を遂げてきました。時代ごとの価値観を比較すると、エンターテインメント界が求めてきた「偶像性」の移り変わりが鮮明に見えてきます。
1970年代から1980年代前半の昭和アイドル黄金期においては、現在ほど過度な脱毛処理は一般的ではありませんでした。当時の水着グラビアや歌番組の映像を振り返ると、うっすらとした自然な産毛や脇毛がそのまま映っている事例も珍しくなく、それが「等身大の少女らしさ」「飾らない自然美」として受け止められていた時代背景があります。
しかし、1990年代以降のエステ脱毛の低価格化やハイビジョン放送の普及に伴い、「毛が一本もあってはならない」という完全無欠のビジュアル規範が定着しました。そして現在、過度な粗探しに対するルッキズム批判やボディポジティブの浸透に伴い、「人間なのだから生えていて当然」「そこまで神経質に叩くべきではない」という寛容で成熟した受け止め方へと世論の潮目が変化しています。