メガホンをとったのは、特撮と実写の融合において日本映像界の第一線を走り続ける樋口真嗣監督だ。そして、混乱する危機対応の最前線で極限の選択を迫られる主人公を演じたのが小栗旬である。ふたりのタッグは、かつて社会現象を巻き起こした名作『日本沈没』の系譜を継承しつつも、それを遥かに凌駕する新たなリアリズムの到達点を目指した。
樋口監督は、「過去の大災害作品が描いてきた『壊れる街』ではなく、『壊れたあとに生きる人間の葛藤』を極限まで突き詰めたかった」と現場で語っていたという。主演の小栗旬もまた、政治的・社会的な板挟みにあう官僚役を演じるにあたり、徹底的な取材を重ねて役に挑んだ。劇中で彼が見せる緊迫した眼差しと重厚な演技は、観客に現実の危機と錯覚させるほどの圧倒的な存在感を放っている。