1960年代、フランスを発端に世界中を席巻した映画運動「ヌーヴェルヴァーグ」。その波は日本にも押し寄せ、革新的な監督たちが新しい映画表現を模索していた。その中心にいたのが、加賀まりこだ。彼女の存在なくして、日本映画ヌーヴェルヴァーグの華々しい開花はあり得なかったと言っても過言ではない。
いま、空前の昭和レトロブームの中で、彼女が当時の映画で見せたグラマラスかつモダンなスタイルが再び脚光を浴びている。シネマティックな街並みを背景に、生意気な笑みを浮かべてタバコをくゆらせる姿。それは単なるレトロな装飾ではなく、自立した新しい女性像の先駆けであった。古さを一切感じさせないそのカット群は、現代のストリートファッションやアートディレクションにも多大な影響を与えている。