日本最古の貨幣「富本銭」の正体|和同開珎を覆した発掘の真相と最新研究

日本最古の貨幣「富本銭」の正体|和同開珎を覆した発掘の真相と最新研究

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歴史の教科書が書き換わる瞬間は、突然訪れました。1999年(平成11年)1月、奈良県明日香村に位置する飛鳥池遺跡で、奈良文化財研究所(奈文研)による発掘調査の成果が発表されると、考古学会のみならず日本中へ激震が走りました。出土したのは、完全な形を保った富本銭や未加工の鋳竿(ちゅうかん)、鋳型(いがた)など、合計30点以上におよぶ貨幣関連遺物でした。

それ以前にも、江戸時代の古銭収集家の記録や、1969年の平城京左京三条二坊からの出土例によって富本銭の存在自体は知られていました。しかし、当時は「奈良時代以降に作られたまじない用の銭(厭勝銭=えんしょうせん)」と見なされ、正史に刻まれることはありませんでした。

飛鳥池遺跡での発見が決定打となった理由は、その層位年代にあります。富本銭が埋没していた工房跡の地層から、「天武天皇治世の680年代」を示す木簡が相次いで出土したのです。これにより、708年に発行された和同開珎との違いが決定的なものとなり、富本銭が和同開珎より約20年以上前に作られた「日本最古の貨幣」であることが確実視されるに至りました。

山下 哲也
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山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。