松野家の四男・一松は、常に猫背でボソボソと喋り、人間関係を嫌って猫を唯一の友とする極度のネガティブボーイです。しかし、その内面には激しい激情や仲間思いの一面、時に常軌を逸した狂気を秘めており、六つ子の中でも最も感情のグラデーションが複雑なキャラクターとして描かれています。
この難役を福山潤さんは、従来の持ち味であった艶のあるクリアな中高音を完全に封印し、喉の奥を鳴らすような乾いた低音ボイスで表現しました。普段の冷淡な呟きから、キレた際の激情のシャウト、さらには猫に対するデレた甘い声まで、同一人物とは思えないほどのレンジの広さで視聴者を圧倒しています。
特に話題を呼んだのが第5話「エスパーニャンコ」や、カラ松になりすますエピソードで見せた狂気の独白です。コミカルなギャグ作品の枠を超え、人間のドロドロとした自意識や脆さを声だけで生々しく具現化する演技力は、「福山潤の真骨頂」として各方面から絶賛を浴びました。