価格交渉と並び、両者の将来を左右する最大の戦場が「脱炭素」だ。二酸化炭素の排出量を大幅に削減して製造される鋼材、いわゆるグリーンスチールの実用化は、自動車のライフサイクル全体でのCO2削減を目指すトヨタにとっても避けて通れない課題となっている。
ここで主導権を握るべく始動したのが「グリーンスチール開発プロジェクト」だ。水素還元製鉄をはじめとする革新的な技術開発には莫大な投資が必要であり、誰がそのコストを負担し、どのような環境価値を価格に上乗せするのかが焦点となっている。単なる素材供給ではなく、脱炭素社会におけるデファクトスタンダードを狙う駆け引きが熱を帯びている。