日本の卓上計算機が世界最高峰の耐久性と正確性を誇る背景には、壮絶な技術革新の歴史がある。かつてカシオ計算機株式会社の創業者である樫尾忠雄が開発を主導したリレー式計算機や、1972年に発売され社会現象を巻き起こしたカシオミニは、パーソナル計算機の時代を一気に切り開いた。
また、ライバルであるシャープ株式会社との激しい開発競争(電卓戦争)は、液晶技術や超省電力LSIの劇的な進歩をもたらした。エラー処理一つをとっても、ユーザーが打ち間違いに気づきやすい通知機構や、操作性を損なわないキー配列など、人間工学に基づいた細やかな工夫が蓄積されている。現在私たちが手にする製品には、半世紀以上にわたる技術者たちの執念が凝縮されているのだ。