風速8m(8m/s)という数値を理解するうえで、最も直感的に把握しやすいのが時速換算です。風速(m/s)に3.6を掛けると時速が算出できます。8m/s × 3.6 = 時速28.8kmとなり、これは街中を軽快に走る原付バイクや本格的なロードバイクとほぼ同等のスピードで、常に空気の塊が身体にぶつかり続けている状態を意味します。
国際的な気象基準であるビューフォート風力階級において、風速8.0m/s〜10.7m/sは「風力5(疾風・Fresh breeze)」に分類されます。定義上は「葉のある小木が揺れ始め、池や湖の水面に波頭が立つ」状態とされていますが、都市部や開けた屋外での体感は想像以上に過酷です。
日常生活における最大の目安となるのが「雨傘」の扱いと「自転車」の運転です。風速が8mに達すると、正面からの風圧だけでなく、ビル風や地形による乱気流が加わります。その結果、一般的なビニール傘や長傘を差して歩くことは極めて困難になり、風速8mでは傘がさせないどころか、傘が裏返る「おちょこ」状態になったり骨がへし折れたりして周囲の人を傷つける危険性すら生じます。
また、風速8mでの自転車走行は転倒の危険が跳ね上がります。特にチャイルドシート付きの電動アシスト自転車や、前後に荷物を積んだママチャリは横風を受ける面積が広いため、突風にあおられてバランスを崩し、車道側へ投げ出される深刻な事故が後を絶ちません。歩行時も向かい風では前かがみにならなければ歩きにくく、帽子や書類、軽量の荷物は一瞬で吹き飛ばされます。