一体何がこれほどまでに人々を病みつきにさせるのか。フードサイエンティストの分析によると、絶望のパスタの構成要素は人間の「欲求」をダイレクトに刺激する完璧なバランスで作られているという。ベースとなるのは、じっくりと炒めたニンニクの芳醇なアロマと、オイルに溶け込んだ唐辛子のカプサイシンだ。
そこに、アンチョビとブラックオリーブ、さらにはきのこが加わることで、旨味成分であるグルタミン酸とグアニル酸の強力な相乗効果が生まれる。仕上げにたっぷりと注がれるトマトスープと粉チーズが、刺激的な辛さをまろやかに包み込み、気づけば最後のスープ一滴まで飲み干してしまうのだ。カロリーや塩分への罪悪感を吹き飛ばすほどの背徳感。これこそが中毒の正体だ。