映画『となりのトトロ』の舞台のモチーフとなったのは、埼玉県と東京都にまたがる狭山丘陵だ。宮崎駿監督が長年居を構え、歩き慣れたこの地域の自然風景が、作品全体の空気感を作り出した。作中に登場する「七国山行き」の停留所は、この地域に実在する病院や古いバス路線を着想源にしている。
一方で、全国には地元住民やファンの熱意によって作られた再現穴場スポットがいくつも存在する。代表的なのが、大分県佐伯市にある「轟のバス停」だ。かつて実際にバス路線が通っていたこの場所には、木々に囲まれた停留所の看板とともにトトロのオブジェが置かれ、緑豊かな情景が劇中の世界観そのものだと人気を集めている。さらに、長崎県諫早市のフルーツバス停群や宮崎県高原町の巨大トトロなど、全国各地で地域の景観と作品への愛情が融合した聖地巡礼の地が広がりを見せている。