日本のスポーツ界におけるデザインの概念を根本から変えた画期的な出来事がある。クリエイティブディレクター水野学氏が手掛けた「侍ジャパンブランディングプロジェクト」だ。単発のユニフォームデザインにとどまらず、日本代表チーム全体を一つの統合されたブランドとして構築した手法は、球界全体に大きな衝撃を与えた。
水野氏のアプローチは、王貞治氏をはじめとする球界のレジェンドたちが築き上げた歴史と精神性を視覚言語へと変換することだった。「結束」や「継承」をテーマに掲げたこのプロジェクトは、プロスポーツ産業におけるグラフィックデザイン業界の役割を再定義した。個別球団のマーケティングにも多大な影響を与え、自らのブランドアイデンティティを見つめ直す直接的な契機となったのである。