ビジュアルの物理的変化だけでなく、人間の心理構造もこの現象を強烈に後押ししています。心理学における「ゲイン・ロス効果(ゲイン効果)」がその代表例です。
人は最初から「100点のイケメン」を見るよりも、「控えめで地味な印象(50点)」という事前期待(アンカー)を持っていた相手が、ふとした瞬間に「圧倒的な素顔(90点)」を見せたときの方が、その落差によって受けるポジティブな感情の振れ幅が遥かに大きくなります。
ドラマやバラエティ番組でも、普段インテリ枠やコミカル枠としてメガネ姿で定着している芸能人や俳優が、雑誌のグラビアや役作りのオフショットでメガネを外し、アンニュイな表情を見せると爆発的な反響を呼びます。「普段は見せない特別な素顔を自分だけに見せてくれた」という秘匿性や特別感も手伝い、認知のバイアスが魅力を何倍にも増幅させるのです。