港の心臓部である市場の卸売場では、小田原市漁業協同組合が取り仕切る競りが活況を呈している。仲買人たちの独特な符丁と鋭い眼光、瞬時に交わされる価格交渉の緊張感は、獲れたての海の幸が流通していく生きた現場そのものだ。一般見学者向けの通路も整備されており、安全にその迫力を体感できる貴重な社会科見学スポットとしても注目度を高めている。
競り落とされたばかりの魚は、すぐさま隣接する直売所へと運ばれていく。氷が敷き詰められたトロ箱には、澄んだ瞳の活魚が所狭しと並び、スタッフにおすすめの調理法を尋ねながら買い求める客で賑わう。水産業のリアルな現場を肌で感じられるこのダイナミズムこそ、街のスーパーでは決して得られない漁港探訪の醍醐味である。