日常会話では混同されがちな言葉ですが、宗教的な背景や位置づけには明確な違いが存在します。まず「修道女」とは、キリスト教のカトリック教会や正教会などにおいて、神への奉献生活を送るために誓願を立てた女性の正式名称です。英語の「シスター(Sister)」はカトリックの修道女に対する親愛を込めた呼称であり、基本的には同じ立場を指しています。
一方で、仏教において出家得度した女性僧侶は「尼僧(にそう)」または「比丘尼(びくに)」と呼ばれます。神にすべてを捧げるキリスト教の修道女と、仏道を歩み悟りを目指す仏教の尼僧とでは、根本にある信仰体系や教理が全く異なります。
さらにプロテスタントには修道院制度そのものが原則として存在しないため、修道女と呼ばれる人々は実質的にカトリック教会や東方正教会特有の存在といえます。なお、カトリックの女性信徒であっても、一般社会で家庭を持ちながら暮らす信徒と、修道会に所属して全生涯を捧げる修道女の間には明確な区分が引かれています。