古田新太が世に躍り出たきっかけは、言わずと知れた「劇団☆新感線」への加入である。1984年、大阪芸術大学在学中に先輩である渡辺いっけいに誘われてゲスト出演したことが運命を変えた。当時の新感線は、ロック音楽とアクション、そしてお笑いを融合させた新しい演劇スタイルで関西の若者文化を牽引していた。
当時の古田は、現在の「恰幅の良い、ビール好きのオヤジ」というパブリックイメージとは程遠い存在だった。切れ長で鋭い眼差し、すっと通った鼻筋、そして何よりもスリムで引き締まった体躯。舞台に現れるだけで空気がピリリと張り詰めるような、天性の主役オーラを放っていたのだ。彼は瞬く間に劇団の看板俳優となり、関西演劇界の寵児へと駆け上がっていった。