歌舞伎症候群は、小児慢性特定疾病および国の指定難病187に指定されている先天性の疾患群です。出生頻度は約3万2,000人に1人と推定されており、人種や性別による発症頻度の差はほとんどありません。
臨床診断において最も注目されるのが特徴的な顔貌です。具体的には以下のような身体的特徴が複合的に現れます。
【顔つきの主な特徴】
・切れ長の眼瞼裂(がんけんれつ):目尻が外側に長く伸び、涼しげで大きな目元に見える。
・下眼瞼外側の外反:下まぶたの外側3分の1が少しめくれたようになり、豊かな長いまつ毛を伴う。
・弓状の眉毛:眉の外側半分が薄く、きれいなアーチを描く形状。
・鼻尖部の平坦化:鼻先がやや低く、幅広く見える。
・耳介の形態異常:耳が大きめで、立ち耳や位置の低さが見られることがある。
これらの特徴的な目元は非常に愛らしく魅力的な表情として捉えられる一方、眼科的なケア(斜視や眼瞼下垂の経過観察)が必要となるケースもあります。
また、乳幼児期(赤ちゃん期)に見られる初期兆候としては、筋緊張低下(身体の柔らかさ)、哺乳障害・体重増加不良、新生児期の難聴、関節の過屈曲性などが挙げられます。成長とともに運動発達や言語発達の緩やかさが顕在化し、精密検査を経て確定診断に至るケースが一般的です。
知的発達に関しては、軽度から中等度の知的障害を伴うことが多いとされていますが、個々の差が非常に大きく、通常学級で学びながら得意分野を伸ばす子どもから、特別支援教育で手厚いサポートを受ける子どもまで多岐にわたります。