なぜ今、ここまで認証のハードルが上がっているのか。その根底には、LINEヤフー株式会社が直面してきたガバナンス改革と、通信業界全体を巻き込むセキュリティ基準の引き上げがある。
同社代表取締役社長の出澤剛氏をはじめとする経営陣は、相次いだデータ管理問題を受けて全社的な情報セキュリティ体制の抜本的見直しを敢行した。これに伴い、総務省による電気通信事業における利用者情報保護の厳格な指導方針に準拠する形で、不正ログイン対策が一段と強化された。
特に注力されているのが、SIMスワップやアカウント乗っ取りを封殺するための二要素認証(2FA)の厳密化だ。従来は緩やかだった本人確認ロジックが引き締められ、不審なIPアドレスや通常と異なるネットワーク経路からのアクセスに対して、システムが即座に認証コードの発行を制限する仕様へとシフトしている。利用者の資産とプライバシーを守るための強固な防壁が、皮肉にも正規ユーザーの手続きを難解にしている側面は否めない。